トレーリングストップとは、逆指値注文を一定の値幅でリアルタイムに自動修正し、損失を抑えながら利益を確保する自動売買機能による投資方法です。
トレーリングストップ注文を希望の値幅(pips)で設定すると、利益の拡大が進んでいる間は逆指値注文が有利な方向に更新され続け、逆転した値動きになると最終更新された逆指値レートで決済される仕組みです。
Tradeviewでは、「MT4 / MT5 / cTrader / Currenex」のどの取引プラットフォームでも、トレーリングストップ注文機能を利用することができます。
目次
トレーリングストップ注文例
上記チャート画像は、106.30円で新規買い注文を行い、同時に25pips(250ポイント)でトレーリングストップを設定した売買例です。
106.30円では、25pips下の106.05円に逆指値注文(ストップ注文)が入りますが、高値を更新するたびに逆指値注文も25pipsの幅で自動的に修正されていきます。
最終的に107.23円に自動修正された逆指値のラインに価格が下落し到達したので、107.23円で自動決済されます。
106.30円で買い、107.23円で売ることができたので、93pipsの利益を自動的に獲得したことになります。
このように、トレーリングストップは、損失を限定しつつ利益を最大限に伸ばすことができる自動売買の機能となります。
売り注文の場合は、安値を更新するたびに設定したpipsの幅で、逆指値が自動修正されます。
小数点以下3桁/5桁のFX業者の場合、「1ポイント = 0.1pips」となります。
トレーリングストップのメリットと活用例
前述した通り、トレーリングストップは損失を抑えながら利益を最大限に伸ばすことができる機能なので、一方向にトレンドが続く相場で活用することができます。
逆にトレンドがない小さい値動き幅の横ばい相場では、トレーリングストップを有効に活用することができません。
上記チャート画像は、2015年2月6日に発表された米雇用統計後のドル/円の値動きです。このように経済指標時は一方向に価格が動きやすく、トレーリングストップ機能により決済のタイミングを逃さずに取引できます。
特に経済指標において、市場予想と大きく乖離した結果になると大きく一方向に動きやすいので、トレーリングストップを有効に利用することができます。
トレーリングストップの注意点
トレーリングストップ機能は、約定価格からトレーリングストップで設定した値幅(pips)分の価格差が出て始めて発動します。
設定した値幅に到達しないまま、反対の方向へ値が動いてしまうとトレーリングストップが発動しないまま損失が広がってしまいます。
また、MT4/MT5においては、MT4/MT5の画面を閉じてしまうとトレーリングストップが機能しません。
保有しているポジションからトレーリングストップを追加設定し、約定価格からすでに価格差分(利益)がすでに出ている場合はトレーリングストップが発動します。
設定した値幅に到達してトレーリングストップが発動したことを確認しつつ、トレーリングストップ有効後の決済まではMT4/MT5の画面を閉じないように注意しましょう。
尚、cTraderにおいては、画面を閉じパソコンの電源を切ってしまっても、サーバー側でトレーリングストップが機能します。
関連記事 cTraderパソコン版で新規注文と決済取引する方法
各取引プラットフォームでトレーリングストップを設定する方法
MT4 /MT5でトレーリングストップ注文を有効にする方法
トレーリングストップを設定したいポジションを右クリック → 「トレイリング・ストップ」からポイント数(値幅)を設定します。
小数点以下3桁/5桁のFX業者の場合、「1ポイント = 0.1pips」です。(例)20pips = 200ポイント
「カスタム設定」からご希望の数字を自由に設定することもできます。値幅を変更したい場合は、再度ポイント数を設定し直すだけで、もし削除したい場合は、「すべてを削除」または「無し」にすれば無効にできます。
以上の簡単な操作でMT4 /MT5でトレーリングストップを設定できます。
cTraderでトレーリングストップ注文を有効にする方法
建玉一覧からトレーリングストップを設定したい建玉をダブルクリック → 「建玉変更」画面から損切りとトレーリングストップにチェックを入れ数値を入力 → 「適用」ボタンをクリックします。
cTraderの場合、価格差はpipsの他、価格や利益、口座残高の割合のご希望の項目から自由に設定できます。
逆指値(損切り)を含めたトレーリングストップを削除したい際は、建玉変更画面から損切りとトレーリングストップのチェックを外すだけです。
以上の簡単な操作でcTraderのトレーリングストップを設定できます。
Currenexでトレーリングストップ注文を有効にする方法
ポジションタブからトレーリングストップを設定したいポジションの一番右側の「プロテクト」をクリック → 利食いとトレイリング・ストップにチェックを入れ「変動値」にご希望の数値を入力 → 「発注」ボタンをクリックします。
Currenexのポイント数は、「1ポイント = 1pips」となります。
買値または売値のどちらの値で執行させるかを選択することが可能で、スリッページも設定できます。
トレーリングストップのまとめ
損失を抑えながら利益を確保できる自動売買機能
逆指値注文を一定の値幅でリアルタイムに自動修正
Tradeviewではどの取引プラットフォームでも対応可能
一方向に動きやすい経済指標時に活用しやすい
約定値から設定値までの価格差がでないと機能しないので注意